新歌舞伎座に到着したのが、開演30分ほど前。まず会場に行き状況を確認して、重いコートを預けるために再び上本町の駅まで行く。いやぁ~細かいお金がない。焦りながら小銭を作って、荷物を押し込み再び会場へと向かう。二階席4列目の真正面。二階席でもこんなに舞台が近いのかと、演舞場などより大きく見えるので、ここはお芝居を見るには最高の席か。緞帳が上がり華やかな舞台が登場。お芝居の始まりからテンポの良い動きで、わくわく感が増大する。皆さんからのお話は聞いてはいたものの、この日がさすらいの初見。目を見開いて舞台を眺める。舟木さんの長口上。早口言葉のような台詞も、さらさらと流れ気持ちが良い。ひとつ、人の生き血をすすりふたつ、不埒な悪行三昧みっつ、醜い浮世の鬼を退治くれよう桃太郎大好きでさすらいが良く使う台詞が飛び出してきて大満足。(笑)時代劇には、娯楽時代劇と呼ばれるコメディータッチのものもあるし、シリアスな時代劇もある。6月の新橋演舞場の花の生涯がシリアスな時代劇であれば、12月、今行われているいろは長屋の用心棒は、完全な娯楽時代劇。コンサートの中でも舟木さんが語られるように、片岡千恵蔵さんも長谷川一夫さんも、大川橋蔵さん、中村錦之助さん、市川雷蔵さんなども、こうした作品に出られている話が出る。あのニヒルな市川雷蔵さんの、初春狸御殿や濡れ髪シリーズに思い出す。今回のお芝居は、舟木さんのみならず、座組の皆さんの軽妙なお芝居に、場内は笑いが絶えない。肩の凝らないお芝居というのは、こういうお芝居の事を言うのだろう。また詳しくは、明日以降書こうと思うが、ここまで砕けたお芝居で、今日迎える千秋楽は、どんなハチャメチャになるのかと思うと、ブログを書くのも気もそぞろな心境だ。書きたい事は山ほどあるが、そろそろ新歌舞伎座に向かう準備です。昨日お会いした、武蔵野舟木組をいつもご覧いただいてる皆様、本当に有難うございます。皆さんからお声をかけていただき、武蔵野舟木組を書いていて、本当に幸せだと思っています。これからもよろしくお願いいたします。
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新歌舞伎座便り
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