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昨年発売された
『舟木一夫 あゝ青春のプロマイド』
浅草マルベル堂で作られ販売された505枚の完全掲載の本です。
数多くの昭和のスターのプロマイドが製作されましたが、こうした一冊の本になったスターは、舟木さんだけではないでしょうか。
現代であれば、カメラもデジタル化されフィルムのいらない時代になり、更に携帯やスマホにはカメラ機能が付き、自由に写真を撮れる時代になりました。
舟木さんのコンサートや舞台の入り待ちでも、舟木さんが立ち止まってポーズをとって下さる。待ち受けたファンの皆さんが一斉にカメラを向ける。
そしてまた、入り待ち出来なかった舟友さんには、SNSなどを使って撮った写真を共有する。
昭和の時代には考えられなかった事が今は手軽に舟木さんの写真を見る事が出来る世の中になりました。
しかし、当時は、月刊誌や週刊誌から写真を切り抜いたり、そしてプロマイドが大活躍した時代でした。
プロマイド本と言うのは、いわゆる写真集で、そこに使われている写真がプロマイドという事です。
巻頭で舟木さんの軌跡を書かれ、インタビューをされているのが、大の舟木ファンでジャーナリストの大倉明さん。青春賛歌や、舞台のプログラムなどのインタビューでもお馴染みの方です。
マルベル堂さんのお話は、実に当時の事が目に浮かぶようなものです。
浅草ですから、国際劇場に突然行って、少ない時間にパッ!と撮影する事もあったり、出来上がったプロマイドを確認して貰うために、舟木さんの世田谷のご自宅を訪ねたりもしたそうです。
特に人気のあったプロマイドが、「君たちがいて僕がいた」の時の本間千代子さんとの全身の映ったツーショット写真で、本間さんの顔の部分を自分の顔写真と入れ替えて、疑似ツーショットとして定期券などに入れて女学生が持ち歩いていたという話もありました。
この本を見ていると、当時の時代の流れが見えてきます。
デビュー前に撮られた写真は、本当に可愛らしくて、普通のどこにでもいる学生さんに見えますが、端正な顔立ちは、美男子ですし、スターになる可能性は十分に感じるものです。*一番最初にある写真です。
時代劇衣裳では、メークもまだまだ(笑)と言うものもありますが、時が経つにつれだんだんメークも様になって行く様子は、こうして並んだものを見ないと判らないですね。
勿論マルベル堂の単独で撮影されたものも沢山ありますが、明星や平凡が撮られた写真を譲り受ける事も多かったようです。ですから、資料としてさすらいが持っている月刊誌からの切り抜きと同じ写真がある事が理解できました。
ですから、プロマイドを見ていても、マルベル堂単独と、そうでないものはさすらいにも見分けがつきます。
時代を感じるのは、やはり白黒写真という事でしょう。今の時代はカラー写真が当たり前の事ですが、カラー写真はとても高価な時代でしたから、もしカラー写真でプロマイドを作っていたら、とんでもない金額での販売になったでしょう。雑誌からの写真で、同じポーズでカラー写真を私の資料にも沢山あったりします。
高価なこの本ですが、大きなポスターも入っており、保存版としてお持ちになる事をお勧めします。