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73歳で人気の舟木一夫 客が必ずリピーターになる演出とは?
芸能活動55周年を迎える青春歌謡のレジェンド・舟木一夫(73)の人気が改めて注目されている。
「60年代歌謡界の“御三家”と称された3人のうち、西郷輝彦(70)は先月末、前立腺がんの再発で舞台の降板を発表。橋幸夫(74)は『バイキング』(フジ系)にパネラーで出演するなど歌以外の露出もある。舟木は殆どテレビに出ないが、実は今最も忙しい歌手の1人。年50カ所、100本超のコンサートをこなす。今年は5月に大阪新歌舞伎座で座長公演。9月に前立腺炎で10日ほど入院したが、今月は新橋演舞場で1カ月の公演中。里見浩太朗(81)や尾上松也(32)が脇を固める『忠臣蔵』と歌謡ショーの2部構成で、チケットはほぼ完売です」(スポーツ紙記者)
安定した人気は歌手生活の積み重ねの賜物。元芸能誌編集者が振り返る。
「歌手デビューは東京五輪の前年。学生服姿で歌った『高校三年生』が100万枚を突破するヒット。青春歌謡歌手として活躍し、絶頂時は出身地の愛知県一宮市から特別観劇列車が出るほどの人気だった。70年代はゴシップで自殺未遂を起こし休業。10年近い不遇時代を送ったが、ファンは待ち続けた。今も地方からバスで観劇に来る団体客も多い。21歳で始めた座長公演は通算87回を誇る」
流行歌手としての“割り切り”を、音楽関係者が話す。
「舟木は50歳手前で、デビュー当時からのファンが喜んでくれればそれでいいと見定め、昔の曲を歌い続けている。ベテランでも毎年新曲を出すのに、舟木が一昨年に出した『春はまた君を彩る』は実に13年ぶりだった」
舟木の姿勢は、その舞台が如実に物語っている。
「歌のショーは持ち歌の青春歌謡が大半。『修学旅行』など学園三部作を歌い出すと、観客全員が一緒に大合唱。最高潮の盛り上がりになる。感極まって涙ぐむ女性客もいます。芝居も娯楽時代劇に徹し、同年代の女性が喜ぶ出し物しかやらない。花束をファンから受け取るときもきちんと腰を折り、普通なら袖に運ぶところを、舞台の中央に並べる。客が必ずリピーターになる演出です」(芸能デスク)
『春はまた君を彩る』の一節〈過ぎて悔いなき 想いを残せと〉がファンの胸を打っているという。
(「週刊文春」編集部)