今年最後となった新橋演舞場のシアターコンサート。この日は、今年一年の中でも、忘れられない日になった。新歌舞伎座、舟友さんの代理で、大きな大きな花束を渡す栄誉を受けた。それこそ舞台のプレゼントで、こんな大きな花束は見た事がない。休憩の間に並ぶが、さすらいの身体の大きさと、その花束の大きさに、注目を浴びているのは、待っているあいだ中、背中に感じていて、恥ずかしさで後ろを向けない。当日いらした方は、よくお分かりではないだろうか。(笑)滅多にプレゼントを渡す事がないから、タイミングが上手く分からない。大きな花束だけに、他の方のプレゼントを受け取ったあとでは、とても持てない重さだし大きさだから、列に並んでいる間も、あれこれいらぬ心配をする。まずは、前の方で一旦途切れて欲しい。右手で受け取るから、さて左で抱えた方が良いか?右で抱えて渡した方が良いか?残念ながら、すべてが思惑どうりには行かなかった。案の定、受け渡すのに苦労するし、舟木さんも受け取るのに苦労する。あの重い花束を片手で取られたのだから凄い!この大きなさすらいでも、片手で持つのはかなり辛いのだから、舟木さんの握力にはびっくりする。そんな事で、結局念願の握手は出来ずじまい。リベンジを考えたのは東京に戻って新橋演舞場。花束の失敗を教訓に、軽くて小さな紙袋にした。スタッフの方が喜んで食べられるだろうとゴディバのチョコ。そんな高いものは買えないから、私には相応のもので小さい。初めて中には、手紙と名刺、それにスティーブ君の最近の写真を入れる。写真も近場でプリントアウトするつもりが、そうした店がなく、恥ずかしながらコンビニで普通紙にプリントアウト。ちょっと恥ずかしいし失礼をしてしまう。手紙の中に、スティーブ君の写真を同封すると書いたから、どうしても入れない訳にはいかず、ちゃんとしたプリントで渡せなかったのが残念だ。新橋演舞場の昼の部。一旦並んだが、曲が変わり列が解かれて後ろの扉前で待機。そしてやっとその時が来た。残念。またもや前の方たちが多くて、舟木さんの右手は持っている物で一杯。握手をしてからプレゼントを渡す。これが通常らしいが、右手はいっぱいで握手が出来ない。それでも必死に舟木さんと握手をしようとする。やはりダメ。すると、舟木さんはもう一歩踏み出して、更に腰をかがめて、笑顔で紙袋を受け取ってくださった。その笑顔たるや、もう大感激。私のために笑ってくれたのだもの。手渡そうとしてから手渡すまでの時間は、他の方よりかなり長かったはず。こんな有難いことが起こるとは思っていなかった。「おいおい、分かってるよ。握手が出来なくてゴメンな。君の気持ちは十分わかったよ。いつもありがとう」そんな言葉を含んだ笑顔に思えた。コンサートを終えて、みなさんから、「舟木さんになんて声を掛けたの?」と聞かれたが、声を掛けたわけではない。「今まで、プレゼントの時に、あんな笑顔は見たことないわよ」そんな言葉も掛けてもらった。下手のお客様は、この様子がよく見えたようで、舟木さんの笑顔には、皆さん喜んでいただいたようだ。笑顔を独り占めにしたコンサート。今年の締めくくりに、素晴らしい事が起こったと満足している。舟木さんありがとうございます。
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笑顔を独り占め
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