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宇仁さんにお会いしたは、今から48年前になる。
小柄なこの方が、殺陣師だとは最初は判らなかった。大忠臣蔵は、3人の監督が回を分かれて撮影していた。最初に私がついた作品は村山三男監督で、殺陣師は｢用心棒」「椿三十郎」など黒澤作品の殺陣師、久世竜先生だった。
村山組のほか、土居通芳監督の土居組、西山正輝監督の西山組があり、スタッフ２班が、それぞれの監督に付いていた。宇仁さんは、主に土居組の殺陣をされていた気がする。私はペイペイの監督助手だから、作品ごとに土居組に付いたり、西山組にも付いた。宇仁さんが殺陣をされる作品のスタッフに付いたのは、大忠臣蔵が終わって、荒野の素浪人になってからの方が多かったと思う。
宇仁さんは久世先生のお弟子さんだったが、若い宇仁さんの殺陣は、久世先生の重厚な殺陣とは違い、スピード感のある小気味良い殺陣だった。からみの殺陣集団若駒の人達も沢山いて、良く一緒に寝泊りもしたものだった。
当時も、写真のようなお姿で立ち回りを付けていたのを思い出す。
京都におられる事は知っていて、もう一度お会いしたいと思っていたが叶わなかったのが残念でならない。三船敏郎さんの特番インタビューで出演されたのを見たのが最後になってしまった。
久世先生、宇仁貫三さん、日活の高瀬さん、尾形伸之助さん、国井さん、殺陣師の方の姿だけは沢山見れたのは、私にとって宝でもある。