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Channel: 武蔵野舟木組2019 舟木一夫と共に
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新橋演舞場「忠臣蔵」観劇

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12月3日新橋演舞場「忠臣蔵」二日目に行ってきました。
芸能生活55周年記念ファイナルとなる舟木一夫特別公演「通し狂言-忠臣蔵

舟友さんのご厚意で、後援会に入っていないさすらいの為に、お席を取って頂きました。前日から咳が止まらず、開演中も咳が出て、皆さんに迷惑を掛けないように、咳を我慢していたので、多少お芝居に集中できなかった事が残念でなりません。

さて、どんなお芝居になっているか、興味津々でお芝居を見させていただきました。
幕が開き、華やかな京都祇園の一力茶屋からお芝居が始まりました。目にも鮮やかな
花見の席は、思わぬ開幕に驚きと期待感が交差します。演出の妙味と言ったところです。遊蕩にふける大石内蔵助の舟木さんは、鮮やかなご衣裳で登場されます。
お話はそこから遡って、赤穂の浜。浅野内匠頭の尾上松也さん、あぐり(瑤泉院)の長谷川かづきさん、そして浅野家の家老としての大石内蔵助の舟木さん。

花の巻の一番の見どころ松の廊下。浅野内匠頭に嫌がらせばかりする吉良上野介の林与一さんに刃傷に及ぶ場面です。映画やテレビですと、小沢栄太郎さんや市川中車さんなど、見るからに憎々しい吉良上野介ですが、与一さんを見ていると憎たらしくなく見えてしまったのは私だけでしょうか。(笑)
浅野内匠頭はその後すぐに切腹の沙汰が出て切腹。この場面が無かったのは寂しいような、良かったような、複雑な心境です。

赤穂に届いた刃傷と主君の切腹の知らせ。動揺する赤穂藩士たち、そして城明け渡し。吉良上野介への仇討を切望する藩士は、のらりくらりと意思表示をしない大石内蔵助の失望していきます。仇討急進派の一人が、最長老の堀部弥兵衛で、曾我廼家文童さんがひょうきんに演じておられます。その後に、吉良屋敷の絵地図を手に入れるのが岡野金右衛門の丹羽貞仁さん。

京都山科に閑居を設けた大石家では、仇討をした場合に類が及ぶ事を恐れ、大石内蔵助と妻りくの離縁があります。妻りくには紺野美沙子さん。子供たちを連れて里帰りをする場面です。長男の松之丞は、里帰りはせず、自分で前髪を落としてしまいます。元服です。内蔵助はそれを許し、松之丞は大石主税と名前を改めます。

こうして話は進んでいきますが、さすらいとしては、前半の花の巻を、どのように〆るのか、気になって仕方がありませんでした。どちらかと言えば、導入部となる花の巻は、地味な展開で進んでいきますから、昼の部の締めくくりが心配になります。
いやいや、そんな思いが吹っ飛んでしまう場面が展開されるのです。

再び京都祇園の一力茶屋。華やかな花見の宴が行われます。遊女浮橋太夫の葉山葉子さんは、大石内蔵助の心の内を読み取っています。いづれ討ち入りするだろうと...
花見の宴が佳境を迎え、舞台上にも花道にも沢山の遊女たちの踊りが続きます。高いところから桜吹雪を散らせる大石内蔵助の舟木さん。素敵で華やかな花の巻の終演です。


夜の部は雪の巻です。
東下りから始まりました。大きな見せ場からのスタートです。姓名を隠し江戸に向かう大石内蔵助一行。公家の日野家用人、立花左近と偽って逗留している所に、本物の立花左近が現れると言う場面です。さすらいが大好きな場面だけに、食い入るように見ました。(笑)偽立花左近の大石内蔵助の舟木さん。本物の立花左近の林啓二さん。二人の対峙する舞台は緊迫感がありました。
実は昔撮影に参加した大忠臣蔵の時の、大石内蔵助役の三船敏郎さん、立花左近役の松本幸四郎さん(のちの松本白鴎さん)の対峙シーンを思い出しました。その時の緊迫感を再び見たような気がします。過去には市川歌右衛門さんと片岡千恵蔵さんの対峙場面がありましたが、舟木さん林さんの対峙場面は、今回の舞台で、一番の場面だと思っています。思いが強い場面だけに、涙が出るほどです。

第二場は吉良邸です。林与一さんの吉良上野介と、その息子の田村亮さん演ずる上杉綱憲。与一さんも田村さんも貫録十分で本当に素敵です。個人的には田村亮さんかっこ良かった。(笑)大石内蔵助の仇討を阻止すべく動く千坂兵部は、貫録十分な里見浩太朗さん。実は密かに間者を手配し、大石達の動向を探っていた。

脱盟する高田郡兵衛の話、絵図面を手に入れる話、そして討ち入りの決断。いよいよ佳境に入って行きます。

第四場は、立花左近の話にも匹敵する山場の南部坂雪の別れ。
浅野内匠頭の死後、瑤泉院となったあぐりの元へ大石内蔵助が訪れる。仇討の実行を知らせに来たのだが、腰元の中に間者がいる事を察知して、本心を告げぬまま浅野邸を去る。ここでは瑤泉院の側近である戸田の局役の長谷川稀世さんと、瑤泉院役の長谷川かづきさんの母娘共演。迫力のある稀世さんの演技に、かづきさん押され気味。仕方ないか。(笑)
間者を捕えた事で、内蔵助の本心を知る瑤泉院。強く内蔵助を非難した事を悔やむ。

そしていよいよ吉良邸への討ち入り。表門には大石内蔵助、裏門を固めるのが大石主税の一行。大がかりな立ち回りの場面だが、今までの舞台と違い、舟木さんご自身の立ち回りがないのが、やはり寂しく、多くの手数のある立ち回りではあるが、やはり派手さを感じないのが残念。堀部弥兵衛役の文童さんが、やはりひょうきんな演技で和ませてくれる。
花道のせり上がりから、山鹿流陣太鼓を打ち鳴らす大石内蔵助の舟木さん登場。一気にまた舞台が盛り上がる。カッコいい!
炭小屋に隠れていた吉良上野介を発見。見事本懐を遂げる。

最後となる第六場は、流石の演出となった。
浪士たち全員切腹の沙汰が下り、細川家に預けられた大石内蔵助と主税。切腹の時刻を告げられ主税が花道から切腹の場所に向かう。一人残された内蔵助。
バック上段に亡君浅野内匠頭の尾上松也さんが登場。意外性と共に素晴らしい演出。
内蔵助の切腹の呼び出しがあって、花道を去る内蔵助で、舞台の幕が下りた。

一気に内容まで書いてしまったが、セリフとして面白かったが、「この物語を作って後世に伝えよう」と大石が語る場面。お上である将軍徳川綱吉と家老柳沢吉保による喧嘩両成敗とならなかった事への不満が、討ち入りと言う形になりました。美談として伝えられるか、徒党を組んでの暴挙として伝えられるか、このセリフがある事で、明確になった気がしています。




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